幼い頃、母親はよく手づくりのお菓子を作ってくれた。
みかん缶でデコレーションしたケーキ、マドレーヌ、チーズケーキ。
作るところをいつも隣で見ていた。
小学3年の頃、見よう見まねで、一人勝手にスポンジケーキを焼いてみた。
計り方と、手順は覚えている。
偶然なのか、キレイに焼けた。
焼き上がったケーキを見て、母が驚きつつも「すごいやんか!」と褒めてくれた。
勉強もせず、褒められたことなんてなかったから、嬉しかったんだ。
またとある日、一人で留守番。
母がいつも使っていたレシピをひっぱりだし、今日はこれにしようと作り始める。
水(牛乳)が大3〜5と書いてある。
「大て何だ?」分からない。
とりあえず、水より牛乳の方が美味しそうだなと思い、
モロゾフコップ3杯分の牛乳をドバドバ投入。
B.P? 分からないから飛ばす。
シャバシャバした液体が出来上がった。
こんなん見たことないような気がすると思いつつ、マドレーヌ型に専用の紙を敷き、
流しこんでオーブンに入れた。
焦げ目がついてきたけれど膨らまないし、いつもと様子が違う。
焼き上がったそれは、生焼けのなんとも気持ち悪いもの。
よく笑いもしたけど、怒るときは鬼のようだった母。
「怒られる、、、」そう思ってゴミ箱の一番下に隠すように捨てた。
家族が帰ってきたとき、何事もなかったような顔をしてたんだけど、
「これは何や?」と母。瞬時にバレる。
モノは隠せても、匂いが残ってたー。(子どもゆえ、つめが甘い)
「大が分からんから牛乳をコップ3杯入れた」と言ったら、母は大笑いながら
「大は大さじのことや、この大きいスプーンが大さじやで、
B.P これはこのベーキングパウダーな」と教えてくれた。
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この仕事を始めたいと言ったとき、賛成してくれたのは母だけだった。
首を縦に振らない父に、母はこう言った。
「やりたいんやったらやってみたらええねん、しんどい目したらええんや」と。
信用してくれている気がした。
母が他界して1年。今だに夢の中に元気な姿で、笑いながら出て来る。
辛い時、いつもこの言葉を思い出し、唇噛み締めやるんです。
「しんどい目したらええんやろー!上から見てわろといて。」
今後の予定が色々と決まってきました◎
また明日まとめてお知らせしますねー。やるべ。
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