2016年7月18日月曜日

母のレシピ

幼い頃、母親はよく手づくりのお菓子を作ってくれた。

みかん缶でデコレーションしたケーキ、マドレーヌ、チーズケーキ。
作るところをいつも隣で見ていた。

小学3年の頃、見よう見まねで、一人勝手にスポンジケーキを焼いてみた。
計り方と、手順は覚えている。
偶然なのか、キレイに焼けた。
焼き上がったケーキを見て、母が驚きつつも「すごいやんか!」と褒めてくれた。
勉強もせず、褒められたことなんてなかったから、嬉しかったんだ。

またとある日、一人で留守番。
母がいつも使っていたレシピをひっぱりだし、今日はこれにしようと作り始める。


水(牛乳)が大3〜5と書いてある。
「大て何だ?」分からない。
とりあえず、水より牛乳の方が美味しそうだなと思い、
モロゾフコップ3杯分の牛乳をドバドバ投入。

B.P? 分からないから飛ばす。

シャバシャバした液体が出来上がった。
こんなん見たことないような気がすると思いつつ、マドレーヌ型に専用の紙を敷き、
流しこんでオーブンに入れた。

焦げ目がついてきたけれど膨らまないし、いつもと様子が違う。
焼き上がったそれは、生焼けのなんとも気持ち悪いもの。

よく笑いもしたけど、怒るときは鬼のようだった母。
「怒られる、、、」そう思ってゴミ箱の一番下に隠すように捨てた。

家族が帰ってきたとき、何事もなかったような顔をしてたんだけど、
「これは何や?」と母。瞬時にバレる。
 モノは隠せても、匂いが残ってたー。(子どもゆえ、つめが甘い)

「大が分からんから牛乳をコップ3杯入れた」と言ったら、母は大笑いながら
「大は大さじのことや、この大きいスプーンが大さじやで、
B.P これはこのベーキングパウダーな」と教えてくれた。




この仕事を始めたいと言ったとき、賛成してくれたのは母だけだった。
首を縦に振らない父に、母はこう言った。
「やりたいんやったらやってみたらええねん、しんどい目したらええんや」と。

信用してくれている気がした。

母が他界して1年。今だに夢の中に元気な姿で、笑いながら出て来る。
辛い時、いつもこの言葉を思い出し、唇噛み締めやるんです。
「しんどい目したらええんやろー!上から見てわろといて。」


今後の予定が色々と決まってきました◎
また明日まとめてお知らせしますねー。やるべ。


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